絶対に逃げられない部屋
綾乃は顔に疑問を浮かべながら首をかしげる。
「うーん、でもなぁ。青い部屋は何でも際限なく出せたじゃん。”一人だけ”ってのがどうもひっかかるなぁ。何で青い部屋みたいにいくつでもじゃないんだろ」
どうも腑に落ちない様子だ。
「確かに不思議だけど、あんま考えてもしょうがなくね?」
良太はそう言うと、一度青い部屋に戻っていった。
そして、右手に鉛筆を握り締めてもどってきた。
「実際書いてみようぜ。そしたら何かわかるでしょ」
良太の言うことはもっともだった。
考えたって答えは出てきはしないのだ。