絶対に逃げられない部屋
僕らの行く先
気がつくと、僕は病院のベットで寝ていた。
白い壁に囲まれた病院の個室。
さっきまでいた部屋とは違う、病院特有の消毒液の匂いが鼻についた。
TVの音が聞こえる。
NHKのアナウンサーがお昼のニュースを読み上げている。
今の時刻が昼の12時だと僕に教えてくれた。
体を動かそうとしても動かない。
見ると、点滴につながれて体は包帯に包まれていた。
包帯からはところどころ血がにじんでいる。
「た、竜也...??」
不意に僕の名前を呼ぶ声がした。
自然と視線がそちらに泳いだ。
僕の視線の先。
ベットの横には美和がいた。