絶対に逃げられない部屋




一方僕が名前を書いたのは美和。




美和は生きている。




だから僕は死ぬことなく無事現実に帰ってこれた。




死んでいる人の名前を書くか。



生きている人の名前を書くか。




それがあの部屋の唯一の出口であり、その後を決める分岐点なのだ。





もし、あの時。



僕が死んだ人間の名前を書いていたとしたら・・・。




そう思うと、背中一面を覆いつくすような寒気に襲われた。







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