絶対に逃げられない部屋
愛の牢獄
僕らの身体は地面に吸い寄せられるように、どんどん加速していく。
周りの景色は縦に引き伸ばされたかのように細く、長い線のように見えた。
下はコンクリート。
僕らの身体は叩きつけられると同時に、きっと地面に赤い花を咲かすことになるだろう。
僕らが飛び降りたのは4階程度の高さ。
きっと頭から落ちなければ”瀕死”ですむだろう。
僕はもう全ての記憶を取り戻していた。
キャンプ場に行く途中、高速道路の壁に激突した衝撃も。
美和が家を出て行った理由も。
全部。