【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「山中、立てるか……?」
まだ立てずにいる私に再び、水戸先生が手を差し伸べてくれた。
私は顔を上がれないまま、水戸先生の手で立ち上がった。
「ありがとうございます……」
水戸先生にお礼を言った後、どうしたらいいのか戸惑っていると、
「あっれ~? さっきの可愛い子じゃん」
そんな声に聞き覚えがあり、嫌な予感がしながらも顔をゆっくりと上げた。
するとそこには、
一番後ろの席で、椅子の上に足を乗せて座っている金髪くんと、その隣には……
両手をズボンのポケットに入れ、イスにだらしなく座って私を睨むかのようにしている、れんたんくんがいた。
待って……。
まさかとは思ったけど、このイケメンくんたちと同じクラス!?
で、でも、席が近くなきゃまだマシだ……。
そう思って水戸先生に席の場所を聞いた。