【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「あぁ、そうだな──」
「──可愛い子ちゃんは、ここの席だよ~」
水戸先生の言葉を遮った金髪くん。
金髪くんの方を見ると、“ここ、ここ”と指をさして言った。
その場所を見ると、金髪くんとれんたんくんの間だった。
金髪くんは余りの席をわざわざ2人の間に入れていた。
いやいや、ていうか勝手に席決めちゃっていいの!?
「あの、水戸先生……」
水戸先生に聞こうとすると、先生まで
「知り合いみたいだし、その方が山中もいいだろ?」
「えっと、はい……」
さすがに先生まで言われると、そう答えるしかなかった。
「さ、おいでおいで」
と、手を縦に振る金髪くん。
私は女子のやばいくらいの痛い視線を浴びながらも、後ろの席に向かった。