【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
──バン
いきなりの大きな音で、優くんの動きが止まった。
「お前、なにしてんの?」
そこには、古くなったぼろいドアを蹴り飛ばして息を切らしている西垣くんがいた。
どうして……本当に来ちゃうの?
「ふふ。来るのが遅いね。蓮くん」
優くんの声は、西垣くんをからかうように言った。
「なにがしたいわけ?」
「えー、そんな怖い顔しないでよ」
「………」
「今の蓮くんが凄くこわーい」
「……そう」
西垣くんは、からかう優くんをどうでもいいように返事をした。
「俺はただ、蓮くんの幸せ奪いたいだけだよ」