【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
──次の日の放課後。
私は先生に、優くんの家の地図を書いてもらった。
「えーっと……」
地図をたどってみると、着いたのは一軒家で少し大きめの綺麗な家。
でも、名前のプレートを見ると“宮園”と書いてあった。
優くんの名字とは違うし、先生書き間違えたのかな
そんなことを考えながら、人の家の前で立っていると
「家になにか用?」
横から女の人の声がした。
チラっと、首だけ向きを変え声のした方を見てみると、そこには
私より明らかに身長の高い綺麗な女の人だった。
「あ、えっと。友達の家を探してたんですけど、明らかにここじゃないですよね……すみません」
先生のバカ。
私が恥をかくことになるなんて。
「もしかして、その友達って優?」
え?
今優って言った?
「はい。そうです」
「優なら、今寝てると思うけど。あなた名前は?」
「山中蓮菜です」
そう言うと、何故か女の人は顔をしかめた。
「そう……私は宮園花梨よ」
花梨さんか。
…………ん?
花梨さんって西垣くんの彼女さんの!?