【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
どうしよ。どうしよ。
かっこいい彼氏なんているわけない。
うーん。
なにかいい方法………。
あ、そうだ。
この前、勝手に登録されていた柊くんの携帯に電話をかけた。
──プルルル…
何度も鳴るコール。
お願い。早く出て。
──プルル…プツッ
あ、出た!
《もしもし? 蓮菜ちゃーん?》
電話越しでも相変わらずテンションの高い柊くん。
《そうです。柊くん?》
《珍しいね。蓮菜ちゃんから電話なんて。なにかあったの? まさか優?》
あれ。そういえば私優くんに話あったんだった!
すっかり忘れてた。
でも今はそんな場合ではない。
《違うんだ。あのね、柊くんにどうしても頼みたいことがあるの》
そう言って、さっき起きたことを話した。
柊くんがWデートの相手なんてしてくれるのかな。
《だめ?》
お願い。柊くんしかいない。
《いっいよーん。蓮菜ちゃんとデートできるなんてラッキー。んじゃ、明日10時ね。》
──プツッ…プープー
え。切るのはや。
ていうか、デートって。
一応Wデートだからね。
それに、偽の彼氏やってもらうだけ。
でもまぁ、柊くんがいてよかった。
私は、家に着き、寝る準備をして静かに眠りについた。
これから何が起きるかも知らずに…………