【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
Wデート当日
──────
────
──ギィ……キィ……ギィ…‥キィ
夏の涼しい風。
オレンジ色の夕日。
ブランコの揺れる音。
冷たい砂。
寂しいすべり台。
ここは、古びた公園。
周りを見れば、遊べる遊具がたくさんある。
でも、人気のない公園。
私は、少し離れた親戚のおばさん家に来ていた。
昔からよく遊んでもらった公園に1人で来た。
『あーっ! 人いる!』
え?
はっ!として声のした方をチラりと見た。
そこには、私と同じくらいの男の子が大きく口を開けて、私を指差していた。
『わたし……?』
小さく呟くと、男の子は“うんうん”と首を大きく縦に振った。
『ねぇねぇ! 僕と遊ぼ!』
私たち、初対面だよね?
でも、私には遊ぶ友達がずっといない。
『うんっ! いいよ』
『じゃあ、今からここの公園の遊具全部で遊ぼ!』
『わぁ。楽しそう』
それから、私たちはすべり台で遊んだり、砂遊びをしたり……
あと、ブランコを乗ればここの遊具を全部遊んだことになる。
でも……