【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
──ジリリリリ
「うわっ!」
いきなりの音で、飛び上がった。
ここは、ベッド?
まさか、今のって……夢?
でも、なんだかわからないけれど、こんなことがあった気がする。
私の初恋。
確かにあの子だ。
けれど、どうして忘れてしまったのだろう。
男の子の名前。
なかなか思い出せない。
でも、大好きだった。
幼稚園の頃、友達もいなかった公園で話しかけてくれて。
遊んでくれて。
親戚のおばさん家はもう引っ越してしまったけれど、あの公園もう1度行きたいな。
確か、もう会えないと思って手紙書いたんだっけ。
私の初恋は複雑に終わりを告げてしまったのだろうか。
それはそうと、なんだか悲しい。
はぁ……。
ってこんなことしてる場合じゃない!
今日はWデートなんだった。
え。今何時だろ。
時計を見てみると
「げっ。もう9時40分だ」
急げーー!
ここからX駅は約3分程度。
ていうか、服なに着よう。
服、服、服。
あ、これにしよ。