【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
私が手に取ったのは、シンプルな真っ白なワンピース。
下の部分がミニになっていて、ひらひらしている。
それに私は、茶色いベルトを腰につけた。
「よし、完璧」
ちょうど夏だから、涼しい感じでいい。
髪は1つにまとめて、高めのポニーテールにした。
それから、くつはお気に入りの薄ピンクのヒールの高いサンダルを履いた。
ニコニコしていると、ふと時計に目がいった。
「え。大変だ」
もう9時55分。
やばいやばい。
再び急げーーっ!
「はぁ……ふぅ……」
やっとの思いで、X駅に着いた。
間に合ってよかった。
「あ、蓮菜ちゃん。こっちこっち」
花梨さんの声だ。
花梨さんは笑顔で手を“こっち”と振っていた。
隣には、西垣くん……。
私服初めて見た。
鼻血が出そうなくらいかっこいい。
隣には、可愛らしい服を着た花梨さん。
西垣くんは私のことを、見ようとはしてくれなかった。
やっぱり私、変だったかな……?
「蓮菜ちゃーん。遅くなってごめんね。……うわー。可愛い」
「わっ!」
いきなり後ろから登場した柊くんにいきなり抱きつかれた。