【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
柊くんの服装は少し、子供っぽい感じの可愛い格好だった。
「あれ? 蓮菜ちゃんの彼氏さんって柊なの?」
花梨さんが、首を傾げて聞いてきた。
「う、うん。そうだよ。ね、ねー? 柊くん」
慌てて柊くんに話を振ってしまった。
偽の彼氏なんてバレたら大変だし。
でも、柊くんは私とは違って
「そうそう。もう俺ら、ラブラブなんだよねー! ハニー♡」
誤解されないように笑顔で言っている。
ていうか、ハニー!?
柊くんなに言ってるの!
でも、花梨さんはお構いなしに
「いいなぁ、私も蓮とイチャイチャした〜い」
なんて言っている。
西垣くんは
「…………」
相変わらず黙ったまま。
でもどこか怖い顔をしていた。
彼女の存在が、凄く羨ましい。
私も彼女になってみたいな……
なんて思ってる私は、もう叶わない気がしてきた。
話していると、いつの間にか電車がきた。
今日行くところは、遊園地。
少しわくわくしているけれど、西垣くんが近くにいることで、彼女でもない私だけどドキドキしている。