【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
着いたところ。
それは入り口に風船がたくさんあって、遠くから「きゃー」という声が聞こえる。
そして、違う意味の「きゃー」も近くにある。
そう、いつの間にか西垣くんと柊くんは女の子の視線を感じていた。
「もー、蓮。見られてるよ」
「……そうだな」
今日の西垣くん、なんかちょっと変な気もする。
そして、柊くんが
「まずなにから乗る?」
と聞いてくるが、柊くんの目はキラキラ輝いていた。
ちょっぴり可愛い。
「ジェットコースターでしょ」
と花梨さんが答えた。
柊くんは、「よし、行こう」なんて言ってるけど私は固まることしかできなかった。
だって私は、ジェットコースターはムリだから。
でも、みんながもう歩き始めていて、震える足で後を追った。
順番待ちをしていて、人が多いけれど、少しずつ前に進んでいく。
どうしよ。
今更ムリなんて言えない。
「はい、お客様。こちらへお進みください」
とうとう、案内されてしまった。
もう足の感覚なんてないってくらい震えて怖い。
花梨さんと柊くんが奥から順番に座った。
「どうしたの? 蓮菜ちゃん。早く隣来なよ」
柊くんが隣をバンバン叩いている。
だけれど、足が動かない……。
そう思っていると
「わっ!」
後ろから肩を引っ張られた。
私を引っ張ったのは、