【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
花梨さんは、ぎゅっと西垣くんのことを抱きしめてる。
その時私は、思い知らされる。
西垣くんには、彼女がいるんだと。
「ね、蓮菜ちゃん。そんなに蓮の事好き?」
耳元で話す柊くんに、私は
「うん。凄く好き………って、え!?」
小さく呟いてしまった声を、柊くんに知られてしまった。
「やっぱり〜! 蓮菜ちゃん顔赤いよ?」
「違う。赤くない!」
「蓮菜ちゃんってば、かーわい」
やばい。完全にからかわれてる。
すると、花梨さんが
「ねぇねぇ! よかったら別行動しない?」
そう提案してきた。
別行動ということは、つまり西垣くんは花梨さんと2人になっちゃうんだ。
私が答えられずにいると、
「いいよいいよ。じゃあ、蓮菜ちゃん行こー」
柊くんが私の肩を引っ張った。
えぇ、西垣くんと離れちゃうよ……っ!!
花梨さんは西垣くんと腕を組んで、だんだん遠ざかっていく。
2人が見えなくなった時、柊くんが口を開いた。
「蓮のこと、協力してあげよっか?」
なんて言ってる。
「なに言ってるの? 西垣くんには彼女がいるし、私の事別に好きじゃないって言ってたんだよ?」
そうだよ。
柊くんだって聞いたじゃん。