【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。





花梨さんは、ぎゅっと西垣くんのことを抱きしめてる。


その時私は、思い知らされる。

西垣くんには、彼女がいるんだと。


「ね、蓮菜ちゃん。そんなに蓮の事好き?」

耳元で話す柊くんに、私は

「うん。凄く好き………って、え!?」


小さく呟いてしまった声を、柊くんに知られてしまった。


「やっぱり〜! 蓮菜ちゃん顔赤いよ?」


「違う。赤くない!」

「蓮菜ちゃんってば、かーわい」

やばい。完全にからかわれてる。


すると、花梨さんが

「ねぇねぇ! よかったら別行動しない?」


そう提案してきた。

別行動ということは、つまり西垣くんは花梨さんと2人になっちゃうんだ。


私が答えられずにいると、

「いいよいいよ。じゃあ、蓮菜ちゃん行こー」


柊くんが私の肩を引っ張った。


えぇ、西垣くんと離れちゃうよ……っ!!


花梨さんは西垣くんと腕を組んで、だんだん遠ざかっていく。


2人が見えなくなった時、柊くんが口を開いた。


「蓮のこと、協力してあげよっか?」

なんて言ってる。


「なに言ってるの? 西垣くんには彼女がいるし、私の事別に好きじゃないって言ってたんだよ?」


そうだよ。

柊くんだって聞いたじゃん。


< 154 / 182 >

この作品をシェア

pagetop