【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。




いたた……っ。

いきなりどうしたのだろう。


「蓮菜ちゃん」

「……?」


「観覧車今なら人少ないから、並んで待ってて」


「え? うん。わかった」

よくわかんないけど、私は並んでることにした。


柊くんは、私を観覧車の前まで連れてきてくれたんだ。


それにしても、1人で待ってるなんて心細いな。


並んでいると、

「お客様、お1人ですか? 次でお乗りください」


とうとう順番が来てしまった。


柊くん、早く……っ


「すいません。2人でお願いします」

「わっ!」

後ろから、背中をぼんっと押され、観覧車の中に入った。


誰!?


入ってきた人を見ると、


……西垣くんだった。



待って、どういうこと?


どうして柊くんじゃなくて、西垣くんがいるの?


ぼーっとしてると、

「お前、早く座れば? 転けるぞ」

「うん………って西垣くんが押したんじゃん!」

「お前がトロいから悪いんだろ?」


観覧車は、ゆっくりと上へ上がってく。

立とうとすると、バランスが悪かったのか、グラッと揺れた。


「きゃっ」

目をぎゅっと瞑った。


でも、痛みなんてなくて、腰に違和感を感じた。


私は、目をそっと開けた。




あわわわわ…っ


「お前顔近い」


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