【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。




「手、繋いでやるからそんな顔すんなよ」


「なっ!? 別に繋ぎたくない!」

「ふーん。そう。んじゃ、繋がない」

意地を張って言ってみたけれど、本当は繋ぎたい。


早足で先々進む西垣くん。


「ちょ、ちょっと待ってよ!!」


「………」


明らかに無視だ。

歩くスピードが早い。

息が途切れて、疲れてしまった。


こうなったら、ほんとのこと言っちゃえ。

「西垣く……! 手、繋ぎたい……っ」

そう言うと、突然西垣くんが足を止めた。


「うあっぷ」

本日2回目の突撃。

1回目は柊くんだったけれど、西垣くんも同じことになった。


鼻痛い……

ひりっと傷む鼻を抑えてると、

「素直にそう言え」

と言って手を繋いでくれる。


< 164 / 182 >

この作品をシェア

pagetop