【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「手、繋いでやるからそんな顔すんなよ」
「なっ!? 別に繋ぎたくない!」
「ふーん。そう。んじゃ、繋がない」
意地を張って言ってみたけれど、本当は繋ぎたい。
早足で先々進む西垣くん。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
「………」
明らかに無視だ。
歩くスピードが早い。
息が途切れて、疲れてしまった。
こうなったら、ほんとのこと言っちゃえ。
「西垣く……! 手、繋ぎたい……っ」
そう言うと、突然西垣くんが足を止めた。
「うあっぷ」
本日2回目の突撃。
1回目は柊くんだったけれど、西垣くんも同じことになった。
鼻痛い……
ひりっと傷む鼻を抑えてると、
「素直にそう言え」
と言って手を繋いでくれる。