【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
そして、着いたところはなぜかいつも来ていたあの野原。
「え? どうしてここなの?」
「あぁ、わかんねーか。ここは昔あった公園。俺らが出会ったとこ」
「えっ! あの公園ってなくなったの?」
ウソだ。
「そう。随分古かったみたいだから、なくなったんだ」
「そんな……っ」
「俺はここにあった公園がなくなっても、お前と出会ったとこってことには変わりないと思ってる」
「……私もだよ」
「俺はこの場所が好きだ」
「………私のことは?」
なんて聞いてみた。
「……さぁな」
「西垣くんの意地悪」
「お前、そろそろその呼び方やめろよ」
「じゃあなんて呼べばいいの?」
「蓮でいい」
「…………西垣くん」
「チッ」
え。今舌打ちした。
「どうして舌打ちするの」
「柊には“柊くん”なんて呼んで、俺には呼ばないわけ?」
これってまさか