【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「ヤキモチ……」
「……うっせ」
西垣くんの方を見ると、手の甲を口に当てて、顔を真っ赤にしながら目を逸らしていた。
西垣くんってこんなに可愛かったっけ?
「いいから、早く呼べよ」
「好きって言ってくれたら……いい」
そう言うと、西垣くんは耳元で
『好きだよ。蓮菜』
どっきゅーん。
という効果音があってもいいってくらい鼓動が速くなる。
自分から言ったくせに、恥ずかしい。
「蓮……くん」
小さく呟いた。
けれど、
「だめ。くん要らない」
えぇ、また言うの?
「ムリです」
「言えないんだ?」
「だって恥ずかしい」