【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
西垣くんはカバンを拾って癖のついた格好で歩いて行った。
「私も早く帰ろ」
そう呟いて、歩き出そうとした瞬間、私はとてつもなく重大なことを思い出した。
「西垣くーんっ!!」
西垣くんを追って、背中をドンッと突撃した。
「いってぇ。テメェなにすんだよ!?」
そう、その重大なこととは、
「私、道に迷ったの。だから家わかんなくて……」
「へぇー。それは御愁傷様」
そう言ってまたスタスタと歩き出す西垣くん。
「ちょっと! だから迷ったの。家まで送ってほしいの」
そう言いながら、西垣くんの腕を引っ張った