【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「立たせてくれて、ありがとうございました」
そう一言お礼を言って、教室へ戻った。
これ以上一緒にいると吸い込まれそうだった。
あ。
そういえば名前聞いてない。
名前気になるなぁ……。
奈々に聞いたらわかるかな?
体育祭の練習で着替えた後、階段を降りている時、奈々に聞いてみた。
「え? そんな子見たことないよ。いたら即好きになっちゃう!」
頬に手を当てて目をパチパチさせる奈々。
「そっか」
特徴を全部言ったけれど、やっぱり奈々は知らないみたいだった。