【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「山中さん? 練習しよ?」
私だけに素を見せてくれる優くんは、どこか西垣くんと似ていた。
「うん。しよか」
西垣くんの方から目を外して、練習に集中した。
他の女子たちは、先生に怒られていた。
「じゃあ、山中さんは右足から出してね」
「わかった」
「山中さん、手肩に届かないね。俺の腰に手を回していいからね」
優くんの優しさにありがたいと思いながら腰に手を回した。
「あぁ、もう西垣くんかっこいい〜」
「私は矢崎くん!」
先生に怒られるからか、小さい女子の声がふと聞こえてきた。