【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「はぁ……はぁ……」
《只今の競技、1位……》
アナウンスが流れた。
私だってやる時はやる。
《3位、山中蓮菜》
うぇ!?
ちょっと待ってよ。
せっかく頑張ったのに。
3位とか、なにかの間違いだよ。
もう、やっぱり運動なんて苦手。
私、1つでもちゃんとできるものってあったかな?
その時、俯いて自分の位置に戻っていると小さな声が耳に届いた。
「3位とかだっせ。遅すぎだろ」
え……?
この声って、西垣くん?
振り返ると、西垣くんは次の種目に行く準備をしていた。