【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。
「よし。着いたぞ。ここが山中の今日から使う教室。今から教室に入るけど、みんないい奴だからすぐ馴染めると思うぞ」
さっきまでさん付けだったのに、いきなり呼び捨てだったのが少し怖かった。
「は、はい。ありがとうございます。」
──ガラガラ
「おーいみんな。今日は転入生が来ている。山中入れ」
水戸先生が教室のドアを開け、教室に入れるように少し横にずれてくれた。
「はい。よろしく……ひゃあっ!?」
「「「……………」」」
ヤバい……。
「お、おい……っ山中……?」
やっちゃった……。
水戸先生が心配しながら、声をかけてくれた。
だけど、恥ずかしすぎる……。
なんでよりによって、みんなの前で……。
「え、あの子大丈夫?」
「可愛いな」
「いきなりなにもないところでつまづいて転んだよ」
シーン……としていた教室がざわめきだした。