なんて俺様!



高校生活初日

いきなり嫌な奴と出会した私は、廊下側の一番後ろの席で不機嫌な顔で机に指を叩いていた

目の前で弱々しい教師が自己紹介をしているが、そんな事は一切目に入らない

更に状況を悪化させたのは


「え?
センセー、31歳なのに盆栽が趣味なの!?
だッははは!
オッサンか!!」


…あの嫌な奴が同じクラスで、おまけに隣の席にいた事だ


「………いや、ちょっと待て
可笑しいだろ」

「だよな?
盆栽が趣味はおかしいわー」

「そうじゃないっ!!!」


朝の出来事があってから、コイツの名前が¨根本¨と言う事を知った

そして私の名前は¨大束¨

どう考えたって名前順の席に座ってる私の隣にコイツがいる事は可笑しい!


「何でアンタが隣にいんの!?
本来なら窓際でしょ!!?」

「あぁ、それな
俺目が悪いから席移して貰った」

「じゃあ前の席に行けやあああ!!!」

「はははっ!!
超こぇー!!」


私の怒りに怯む事なく、寧ろ楽しんでいる様子の根本はキャッキャッと猿みたいに手を叩いて笑った

もう話さえ通じない事を理解した私は先生に話を切り替える


「能上(のがみ)先生!!」

「は、はひぃい!?」

「良いんですか!!
コイツがここにいる事!!」

「いーんだって
センセーから許可貰ったし
な?」

「し、仕方の無い事情なら仕方の無い事もあるのですよ、お、おおお大束さん…っ」

「はい!!?
何が仕方の無い事情!?」

「まーまー
ユミちゃん」

「ユウミだ、ボケッ!!」


どうどう、と落ち着かせる様に空間に手のひらを2回叩いた根本は

満面の笑みでクラス全体を指差した



「みーんなビビってるから」


…………それは一体誰のせいだと?



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