最低王子と恋の渦




「確かに性格は最悪だけど、顔はいいじゃん」


「私優しい人が好き」


「今時そんなこと言ってると生涯独り身になるよ」




なんて恐ろしいこと言ってんの。


ていうかそもそもあの三鷹くんが私のこと好きになるわけがない。



どうせ私はブスで性格も悪いですよ。




「今月に入って三鷹くんにフラれた人は5人もいるけどね」


「ご、5人!?」




なんか毎月何人か告白してるよね…。


よくもまあそんな勇者が…。




「三鷹くんも彼女つくらないのかなー」


「誰もあんな人に釣り合うわけないじゃん」


「…だから美乃ならいけるかもよ?」


「は!?」




誰があんな人に告白するもんですか!!


絶対お断りですよ。




「えー…もうなんでよー三鷹くんかっこいいじゃん! 羨ましいくらいだよ」


「じゃあもう菜々代わってよ…」




菜々は「あんたも変わってるねー」なんて言いながらお弁当を食べ進める。



…私がっていうより、三鷹くんが変わってると思うけどね。





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