最低王子と恋の渦
「ほら三鷹くんもちゃんと授業聞かないと」
「さっきまで居眠りこいてた君が何ほざいてるの?」
「いやほんとにね。そーですよね」
「国公立狙ってるなら授業集中しろよ馬鹿なんだから」
正論すぎることを言われ、私は肩を落とした。
三鷹くん。
人はそんなすぐには変われないんですよ。
まあ威張れないけど。
「…田中さん」
と、少し間を空けてから三鷹くんが私の名前を呼んだ。
私は首を傾げながら隣を見る。
「……」
「……? どうしたの?」
「…今日、予定ある?」
…へ?
すごく言い辛そうに言った三鷹くんを、私はきょとんと見つめた。
…予定?
「ないけど…」
「……映画に行こう」
………………え?
え!?