最低王子と恋の渦






キョロキョロと探しながら後ろのドアから教室を出てみる。



すると、




「あ」




教室の出たすぐの所に三鷹くんはいた。


そしてその横には西垣さん。



……まずい。




「あ、田中さんごめん少し待って」


「…ごめんね田中さんっ」




三鷹くんと西垣さんが私に謝る。

私は「全然っ」と言いながら頭をブンブンと振った。



…うーわ、確実にお邪魔しちゃったよ。


やらかした…。


こちらこそごめんなさい二人共。




「…ていうことだから、今日はごめん」


「…そっか…」




何かを謝っている三鷹くんと、それにしゅんと落ち込む様子を見せる西垣さん。


なんの話だろ。




「映画の感想…また聞かせてね」


「ネタバレになってもいいなら」




西垣さんの言葉に、私は「えっ」と思わず声を上げてしまった。



も、もしかして…


西垣さんに何か誘われてたけど私と映画の約束があるから断ったみたいな流れ!?



それはすごく申し訳ないんですが!



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