最低王子と恋の渦




「ていうかそもそもなんで俺が西垣さん好きだと思ったの」


「確信したのは、私が2組を覗いてた時に三鷹くんが来てじっと西垣さんのこと見つめてた時かなぁ」




あの時に、私の予想は確信に繋がったのだ。


でもまあ事実は違ったけど。




「…西垣さんなんて見つめてないよ」


「えっ!?」


「あー…あれは多分、西垣さんがいた方向にすっごいブスがいてそいつを見てたんだと思う。あんなブスいるんだなぁって」


「そ、そうだったの…? ていうか失礼過ぎるからブスって言うのやめて」




…なんだ、これも私の勘違いだったのか。


じゃあ本当に…三鷹くんは西垣さんのこと好きじゃなかったんだ。



……なんかホッとしてしまう。




あれ、でも。


それじゃあ三鷹くんの好きな人って誰なんだろ。




「ねぇ三鷹くん、それじゃあ三鷹くんの好きな人って誰?」




私が三鷹くんの顔を覗き込むように言うと、三鷹くんは一瞬顔をしかめた。



…やっぱり、

ここには触れて欲しくなさそうな顔するんだよね…。




でも聞いちゃうよ。

気になるから。




「……あ、ほら始まるよ」




と、ここでタイミング悪くスクリーンに映像が映り始めた。



…まあ別に今日聞かなくてもいいか。


と、私もスクリーンの方を見て、予告やらCMやらを見始めた。




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