最低王子と恋の渦





「…三鷹くん、比奈子諦めないからね。三鷹くんと付き合えるようになるまで諦めないからっ」






そう熱意のこもった眼差しを三鷹くんに向ける西垣さん。


三鷹くんは少し呆れたように溜息をつく。








「勝手にすれば?」



「今に見てて!」










そんな二人を少し離れた所から眺めていた私は、少し変な気持ちになった。






容姿端麗で頭も良い二人がこうやって並んでると、どこからどう見てもやっぱりお似合いという言葉が当てはまって。



その二人を見ている私はなんだか惨めな気がしてならない。






…西垣さんの本性知っちゃったけど、私にこの二人の間に入り込む隙なんてないと思う。




いや、ていうか入り込もうなんて思ってないけどさ。


それ以前に私は三鷹くんから西垣さんの本性を話されたわけだし…。








…そういえば、なんで三鷹くんはめんどくさいことになるって分かってたのに私に西垣さんの本性をバラしたんだろう。







わざわざバラしたのは…何か理由があったからなのかな?






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