最低王子と恋の渦
「てか…ジュース買わないの?」
「えっ、あ、買います買います!」
和久井くんに言われてハッとした私は慌ててカフェオレを買った。
ガコンと音を立てて落ちてきたカフェオレを取って、私は和久井くんに次を促す。
「……」
和久井くんがじっと自販機のジュースらを眺めている間、少し沈黙が流れる。
…もう別に用ないし、待ってたらなんか変だよね。
そう思った私は教室に戻ろうと和久井くんから目を離した。
「あ、あのさっ」
すると和久井くんが突然口を開いた。
驚いた私は再び自販機の前に立つ和久井くんに視線を戻す。
自販機に体を向けたまま俯いている和久井くんに首を傾げると、
「…田中さん…12月24日空いてる?」
彼はチラリと私を見上げながら言ってきた。