最低王子と恋の渦
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「あ、友也」
放課後の帰り道、たまたま友也と会った。
友也は「おー美乃!」と笑顔で応えてくれて、私達は並んで帰る。
「友也バイトは?」
「ん?もう終わった!元々短期だったしなー」
あ、もう終わったんだ。
心なしか最近友也の出番が少なかった気がしてたけど、これでまた増えるのかな。
…私が気にすることでもないけど。
「珠妃ちゃんの大阪のお金貯まったんだ?」
「そうそう、これで安心だわー」
「珠妃ちゃんいつ行くの?」
「んー…確か冬休み入ってすぐかな?27日とかそのへん!」
へぇ、もうすぐだねー。
…そういえば優太も珠妃ちゃんの付き添いで行くんだっけ。
優太も優太でぼーっとしてるからちょっと心配だわ。
「…美乃、今日…24日がどうとか話してなかった?」
と、不意にそんなことを言ってきた友也。
私はえっと隣を歩く友也を見上げる。
友也はなんだか苦笑いをしていた。
「…あ、えと…三鷹くんと24日に映画行くことになって…」
「ま、また三鷹と!?三鷹と最近すげぇ仲良くなってない!?」
…確かにそれは否定は出来ない。
だって、私でさえそう思うから。
……あ、ていうかもしかして友也…妬いてるのかな。