最低王子と恋の渦







――――――――――――
――――――……







「あ、友也」








放課後の帰り道、たまたま友也と会った。



友也は「おー美乃!」と笑顔で応えてくれて、私達は並んで帰る。












「友也バイトは?」




「ん?もう終わった!元々短期だったしなー」










あ、もう終わったんだ。




心なしか最近友也の出番が少なかった気がしてたけど、これでまた増えるのかな。



…私が気にすることでもないけど。












「珠妃ちゃんの大阪のお金貯まったんだ?」




「そうそう、これで安心だわー」




「珠妃ちゃんいつ行くの?」




「んー…確か冬休み入ってすぐかな?27日とかそのへん!」









へぇ、もうすぐだねー。




…そういえば優太も珠妃ちゃんの付き添いで行くんだっけ。


優太も優太でぼーっとしてるからちょっと心配だわ。




















「…美乃、今日…24日がどうとか話してなかった?」











と、不意にそんなことを言ってきた友也。





私はえっと隣を歩く友也を見上げる。



友也はなんだか苦笑いをしていた。












「…あ、えと…三鷹くんと24日に映画行くことになって…」




「ま、また三鷹と!?三鷹と最近すげぇ仲良くなってない!?」











…確かにそれは否定は出来ない。



だって、私でさえそう思うから。





……あ、ていうかもしかして友也…妬いてるのかな。






< 127 / 347 >

この作品をシェア

pagetop