最低王子と恋の渦

「…田中さんの作ったお弁当とかいろいろ危ないんだけど」




は！？




「どーいう意味！？」


「どうもこうもそのままだよ。髪の毛とかヨダレとか入れられてると思うと吐き気がする」




誰がそんなもん入れるか！！

逆に嫌がらせとして入れてやろうか！？



ギンッと三鷹くんを睨むと、彼は涼しい顔をしたまま首を横に振った。




「悪いけどそれは遠慮しとくよ。どうせなら田中さんのお母さんに作ってもらいたいしね」


「割と本気でお母さん狙わないでよ」




冗談かも分からないようなことを言った三鷹くんはペロリとメロンパンを食べ終えてしまった。


はたと前に座る菜々を見ると、彼女も既に両手を合わせて「ごちそうさま」を言っていた。



わ、私だけ食べ終わってないじゃん！


私はすぐさまお弁当を食べ進めた。




「もー、面白そうだと思ったのにー」


「澤村さんは一体何がしたいの？」


「うーん、面白い事が見たい」


「それよく漫画とかに出てくるうざいキャラだね」


「あたしはどう見てもヒロインでしょ」


「それがうざい」


「この性格ブス男(お)〜」


「やめてよそんな小学生の喧嘩みたいなノリ」




……やっぱりこんな人とどうにかなる気は更々起きませんよ。