最低王子と恋の渦
伊達じゃない
――休み時間。
現在大変な状況に陥ってます田中美乃です。
「田中さんさぁ、調子乗ってるんじゃないの?」
場所は体育館裏。
1対5の女子達。
全員私に敵意を向けている。
明らかにまずい状況です。
「王子に馴れ馴れしくしてんじゃねぇよ」
スカートをギリギリまで巻いて超ミニスカな茶髪女子が私を鋭く睨む。
メイクは盛り盛りだ。
確かこのうるさい系の人達、よく三鷹くんに声掛けてたような。
あと三鷹くんのことほんとに王子って呼ぶんだね…。
「あ…えと…」
実際はこんな場面になるとヘタレになる私。
怖すぎて相手を睨むこともできない。
だってここで喧嘩して後が怖いし…。
なんてビクビクしていると、彼女達は更にヒートアップしてきた。