最低王子と恋の渦
「今度会うのは始業式かな」
そんなことを言った三鷹くんは、見覚えのあるニッコリ笑顔をした。
…始業式か。
遠いな。
「田中さんは課題しときなよ」
「あっ、忘れてた」
「俺はもうほとんど終わってるけど」
天才ですか。
…まあでもほんとにちゃんと勉強しないとね。
三鷹くんに罵倒されてばかりじゃやってられないし。
「よし、じゃあまた来年かな」
「そうだね!よい年末をお過ごしください」
「田中さんもね」
そう言い残し、三鷹くんは私に背を向けて歩き出した。
来年また同じ教室で会うまで。
なんだか寂しい気がするのは気のせいかな。
…きっと気のせいじゃないかもしれない。