最低王子と恋の渦
――このまま朝まで菜々と一緒に話したりしてても良かったけど、菜々が昼からバイトがあるということで私達は夜中にも関わらず帰ることにした。
菜々が携帯持って来るの忘れたらしくて一人で帰すのは不安だけど、まあ菜々の方がここから家近いし、初詣帰りの人もちらほらいるから大丈夫かなって。
初詣なんて次の日の朝とか昼とかに行ければ良かったけど、菜々がバイトだからこんな新年早々に行くことに。
「じゃあ菜々、気を付けてよ?」
「任せて任せて~。帰り道は割と人通り多いとこだから」
まあ夜中だから少ないとは思うけど、と笑う菜々は大丈夫そうだ。
「じゃあまた始業式でね」
「うん、じゃねー」
そうして私達はそれぞれの帰路へ歩き出した。
…うう寒い。
早く帰って布団に入りたい。
私は両腕をさすりながら足早に帰る。