最低王子と恋の渦
「三鷹くんって何組だったの?」
「それくらい自分で探しなよ」
「え、えぇ…?」
そこは教えてくれないんだ…?
私は少し落ち込みながらも、中学生な三鷹くんが気になるので真剣に個人写真欄を見回した。
数人うちの高校の人がいたりして、なんだかワクワクしてきた中。
「…あ」
三鷹秀吉。
その名前を見つけて私は思わず声を上げた。
うわっ、イケメン。
中学生でもこのかっこよさ。
他の人には悪いけど、やっぱり三鷹くんが飛び抜けてかっこよかった。
「見つけた?」
「はい」
「変わってないよね」
「…うーん、確かに」
写真の三鷹くんは少し幼い感じもするけど、あんまり変わってはいなかった。
まあ中学生なんてそんなもんだよね。
変わると言えば基本女子が変わってるし。
そんなことを考えながら、私はペラペラとページをめくっていく。
と、
「……」
一枚、
可愛い女の子と手を繋いでいる三鷹くんの写真があった。
二人っきりというわけではなく、その横には数人の男の子と女の子がこちらにピースして笑っている。
…卒アルでこんな写真…。
って、そんなことはどうでもよくて。
一体これはどういうことなんだろう。
「…何かあった?」
「えっ、あ、いやなんでも!」
思わず、誤魔化してしまった。
気になる。
気になるけど…なんだか聞くのも怖かった。
……ていうか、なんで私がそんなこと気にしてるんだろ。
そうして私はパタリとアルバムを閉じた。