最低王子と恋の渦
「もういい?」
「うん、ありがとう見せてくれて」
「どういたしまして」
そう言って私からアルバムを受け取ると、三鷹くんはそれを机の上に置いた。
…私から見せて、なんて言ってないのに卒アルを見せてくれた三鷹くん。
まあ内心他の写真は見てみたいと思ってたんだけど。
卒アルを見せてくれたことに何か意味があったのかな。
…もしかして、さっきの写真を見せる為…?
だとしても、なんで?
「あのさ」
不意に私の隣に腰を下ろしてきた三鷹くん。
私はドキッとして強ばった。
「……田中さんは、ある人を大切にしたい時…どうする?」
「…え?」
そこにいつもの爽やかな笑顔はなく。
なんだか追い詰められたような不安げな表情の三鷹くんがいた。
…こんな顔初めて見た。