最低王子と恋の渦
「そうですかそれはすみませんでした!!」
「…冗談だよ」
「はい!?」
「田中さんを見てた」
ボッと顔が赤くなったのが分かる。
…つくづくこの人はずるい。
「俺田中さんの誕生日知ってたよ」
「え、今週の土曜日って?」
「うん。だいぶ前から」
「…一体どこで聞いたんですか」
「さあね」
こ、この人の情報網が怖い。
…でも、誕生日知っててくれたことがちょっと嬉しい。
まあきっと私の誕生日なんてどうとも思ってないんだろうけどさ…。
「…デート楽しんで来なよ」
……う、わあ。
これは辛い…。
やっぱり三鷹くんにとって私はどうでもいい存在なんだなぁ…。
そりゃ友也とのデートは楽しむよ。
楽しむけどっ!
…わざわざ三鷹くんに言われたくはなかった。
まあ私が勝手に傷ついてるだけだから三鷹くんは悪くないけどね。