最低王子と恋の渦
幼馴染
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――ピンポーン…。
家のチャイムが鳴り響き、私は準備を整えて玄関のドアを開けた。
「美乃おはよー!」
「おはよ、友也」
玄関先には私服の友也が眩しい笑顔で手を振っている。
迎えた週末。
約束のデートの日、友也が私を迎えに来てくれた。
私はダッフルコートを着て寒さ対策は万全だ。
「よし、じゃあ行こーぜ!」
「うんっ」
そうして私達は家を後にし、肩を並べて歩き出した。
…今日は友也が告白してくるまで、いつも通りでいくと心に決めている。
せっかくの友也とのデートを楽しむんだ。
友也にも楽しんで欲しいしね。
「ところで今日はどこ行くの?」
「うーん、それは着いてからのお楽しみ!美乃も知ってる場所だから」
「…ほう」
…私も知ってる場所か。
どこだろ。
まあ考えても拉致があかないので、私は友也と他愛もない話をしながらその目的の場所へと向かった。