最低王子と恋の渦
「…あの、友也」
「ん?」
「友也は…いつから私のこと好きだったの?」
ムチャクチャ照れ臭いのを我慢して、私は気になってたことを聞いてみた。
ずっと前からって言ってたけど、どのくらいなのかなって。
友也は思い出すように視線を斜め上に向けて「あー」と声を漏らす。
「小学五年くらいの時かな…友達に「田中のこと好きなんだろー」って言われて、そっから自覚したんかなぁ」
ま、まじでか。
ってことはほぼ6年くらい…?
「…じゃあ、よく竹内さんとか可愛い子言ってきてたのは…?」
「え、ああ。それはただ可愛いって思ったから言ってただけだぞ?好きとかそんなんじゃないよ」
……なるほど。
思えば友也は割と素直だし、6年も友也の気持ちに気付かなかった私が異常だったわけだ。
ほんとにごめん友也…。