最低王子と恋の渦





そしてトントントンと階段を降りてくる足音が聞こえてきた。


ドアの方へ目を向けると、三鷹くんがちょうど部屋に入って来るのが見える。






「ごめんお待たせ」





そう言ってこちらに歩み寄ってくる三鷹くんの手には紙袋が提げられていた。


…??








「何?それ」



「誕生日おめでとう」



「…え?」



「はい」








そうニッコリと笑顔を浮かべて私にその紙袋を差し出してきた三鷹くん。


きょとんとする私は、その紙袋をゆっくり受け取った。





え。


う、嘘でしょ…?







「え、え…なんで…」



「なんでもくそもないよ。誕生日プレゼント」



「…あ、ありがとう」



「俺の誕生日も祝ってくれたしね。当日に渡したかったけど、川平との約束があったから」







私は受け取った紙袋をじっと見つめる。



まさか、三鷹くんから誕生日プレゼントを貰えるなんて…。




め、めちゃくちゃ嬉しいんですけど。



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