最低王子と恋の渦
ガサッと紙袋の中を覗き、私は入っていた物を取り出す。
…あ、これ…。
「マフラーだ…」
「1月になってもマフラーして来ないから、もしかして田中さんマフラー持ってないんじゃないかなって」
そ、そんなとこまで気にしてくれてたなんて…!
私はその赤いチェックのマフラーをキラキラとした目で見つめる。
さすが三鷹くん。
センスも完璧だ。
「ほ、ほんとにありがとうっ!大切にするっ」
「…本当に?」
「当たり前だよ!」
三鷹くんにこんな可愛いプレゼントを貰えた私は幸せ者だ。
だってなんかもう涙出そうだもん。
チラッと三鷹くんを見上げると、彼は穏やかな微笑みを私に向けていた。
…う、キュンとしてしまった。