最低王子と恋の渦




――「ドリンクバーはあちらになります」




店員さんはそう言い残して私達のテーブルから離れていった。


美少女に連れられて入ったのは近くのファミレス。

よく菜々と行く所だ。



そして押せ押せ言ってた菜々はバイトがあるということで一人だけ退散したのである。

つまり現在、私はこの美少女と二人っきりでテーブルに座っている。


…帰りたい。





「あ、私ジュース注いできます。何がいいですか?」



「えっ、あ、じゃあメロンソーダで…」



「分かりましたっ」




ありがとうございます、と私は聞こえるか聞こえないかの声で彼女を見送った。



…言動から、とても大人しくて行儀の良い子だと感じられる。

そんな子がなんで私に…?


しかも三鷹くんの知り合いらしいし…。



…どんな関係なのかめちゃくちゃ気になる。




ていうかよく〝三鷹くん〟って言葉を聞いただけで私達に話しかけられたよね。

まあ制服とかで判断したのかな…。


ということはあの美少女は三鷹くんがどこの高校行ってるか把握してるってことか。


…つまり、中学の同級生…とか?



あれ…?

中学の同級生って…なんか私忘れてるような…。


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