最低王子と恋の渦
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございますっ」
ジュースを注いでテーブルに戻って来た彼女。
彼女のコップにはお茶が注がれていた。
渋いな。
「…あの、すみません突然」
「え、ああ…いえ別に…」
「私、藤本香織(フジモトカオリ)と申します。…えっと、秀よ…三鷹くんの中学の同級生です」
や、やっぱり。
ていうか今…三鷹くんのこと〝秀吉〟って言いかけた…?
「み、三鷹くんは…元気ですか?」
「…は、はい」
私に暴言吐くくらいには。
すると藤本さんは私の言葉にふんわりと安心したように微笑んだ。
…あ!
思い出した。
この子、あの卒アルで三鷹くんと手を繋いでた子にそっくりだ。
いや、ていうかきっと本人だ!