最低王子と恋の渦





――お昼休み。


私達は教室でいつものようにお弁当を食べていた。





「今回は美乃の勘違いじゃなかったのかもね」




菜々に昨日の事を話した。


…三鷹くんは他に好きな人がいる、という私の予想。

菜々もようやく納得してくれたようだ。


だからと言って辛いことに変わりはないんですが。





「元カノで、三鷹くんはまだ元カノのこと好きで、元カノもよりを戻したがってる、って…スリーアウトだね」



「やめて」



「この小説の主人公も藤本さんにチェンジってか?」



「やめて!」




なんなのこの人!

私の友達じゃなかったの!?

励ます気ゼロ!?





「三鷹くんもその藤本さんの連絡先を今でも残してたんだもんねー」



「……」




箸が進まない。

食欲もない。


…まるで失恋したみたいだ。




「まあ最初っから失恋したも同然だったみたいだけど」



「ちょっとくらい励ましてよっ!」





菜々は「ごめんってー」と笑いながらご飯を口に運んだ。



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