最低王子と恋の渦

「…だから、次俺がちゃんと告白するまで…」




そこまで言って、友也は言いづらそうにまた俯いた。


私はそんな友也を助けるべく、「うん」と頷く。




「分かった。友也が言うならそうするね」


「…美乃」


「でも別に自分にストッパーみたいなん掛けて無理とかしないでよ」


「ハハ、なんだそれ。…でもサンキュー！」




白い歯を見せて笑う友也を見て、私は安心した。



正直、友也の気持ちに応えられるかは分からない。


でも応えようが応えまいが、友也とのこの関係はずっと続いて欲しいと思った。




「…美乃」


「ん？」


「……三鷹のことはどう…思ってる？」




…え！？

ま、また三鷹くん？




「ど、どうって…？」


「…やっぱなんでもない！ じゃあおやすみ美乃！」


「え、ちょっと友也」




しかし私の言葉を聞かずして、友也は笑顔で手を振りながら家の中に入ってしまった。



……菜々だけじゃなく友也までも三鷹くんのこと聞いてくるなんて。


ほんとに三鷹くんのことどうとも思ってないんだけどな…。




多分。