最低王子と恋の渦
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私は秀吉くんにメッセージを綴った。
そしてそれを送り、居座っていたファミレスから出た。
「…んーっ」
外は肌寒い風が吹いていて、口からは白い息が出ている。
…もっと私が秀吉くんのこと分かっていれば、別れずにずっと付き合い続けていることが出来たのかな。
なんて。
……でも、
あんな顔する秀吉くんは本当に初めて見た。
きっと、それは田中さんだったから。
私じゃ見ることは出来なかったと思う。
「全然田中さんに敵わないや…」
冷えた手に手袋をはめながら、私はクスリと笑った。
『秀吉くん、今日は本当にありがとう。
ちゃんと話せて良かった。
そういえば私が田中さんに、秀吉くんにもう一度会ってみるって言った時、
田中さんすごく焦ってたよ(笑)
頑張ってね!』
私に出来そうなことはこれくらい。
あとはきっと、秀吉くんが頑張るはず。
だってあんなに田中さんのこと想ってるんだもん。
私は秀吉くんを諦めて、二人を応援しよう。
…まぁ、それまでもう少し時間は掛かるかな。