最低王子と恋の渦
――6限目。
サッカーである私と菜々は体操服に着替えてグランドへ出た。
「…寒い」
「ジャージ着ててもこんだけ寒いんだし、あんた風邪引くよ」
ブルブルと小さくなりながら震える私の肩をポンポンと叩く菜々。
皆ちゃんとジャージを着ている。
……ほんとに馬鹿だ私。
「え、美乃ちゃんジャージないの?」
「大丈夫?」
震える私を心配してか、クラスメイトが寄って来た。
私は「動けば暖かくなるし大丈夫!」と笑顔を見せる。
急いでたから他のクラスの子からジャージ借りれなかったし…まあサッカーで動き回ればマシになるかな。
なんて私は腕を高速でさすりながら縮こまる。