最低王子と恋の渦
*チェリーポップ

スタート地点











   *   *   *









大変だ。







「…田中さん、ちょっといい…?」




そう休み時間に教室へ私を呼びにやって来たのは腹黒天使の西垣様で。

彼女は私を人通りの少ない廊下へ連れ出した。



…西垣さんに呼び出されたことも大変な事態ではあるんだけど、


それよりも大変なのは、





「ねぇ田中さん、三鷹くんと付き合ってるってほんとなの!?」





…ああやっぱり…。


案の定西垣さんの用件もそれだった。




…今朝学校に来てみると、なぜかざわついていて。

学年の廊下を歩いているとチラチラ視線を感じていた。


不思議に思いつつ、自分の教室に入るとこれまた皆の視線が私に集まって、


何事かと菜々に聞いてみると、

なんと私と三鷹くんが付き合っているという噂が流れているらしかった。




……なんということか。



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